6つの防衛機制 自己評価・心を守る戦略
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自己評価が高い方が良いか、それとも低めの方が良いかには、いろんな意見があるが、自己評価が低すぎるのはとにかく危険だ。
というのも自己評価が下がりすぎると、生きる気力が失せて自殺したり、ウツ病の状態になったりするからだ。
そういう事態を避けるため、我々は自分でも気がつかないうちに、心を守ろうとして自己評価を上げている。
それが「防衛機制/防衛メカニズム」(defence mechanisms)と呼ばれる心の働きだ。
たとえば人は嫌な思い出を忘れようとして、全然別のことや夢想にふける。
直視出来ないような現実に出会ったときに、ダメージを負わないように、人間は自分に都合の良い情報以外は、一時的にシャットアウトしてしまう。
これは、嫌な体験や辛い現実を何度も思い出すと、脳の海馬が萎縮してダメになってしまうので、それを防ぐ防衛メカニズムの一つだ。
この防衛メカニズムにはいろいろあって、「自己評価の心理学」という本では、次の6つにまとめられている。
心を守る6つの防衛機制
- 回避(失敗するリスクを避ける)
- 否認(現実の問題を認めない)
- 投影(自分が抱いている否定的な感情や観念を他の人に押しつける)
- 夢想や空想(成功しようと努力するかわりに成功を夢見る)
- 合理化(現実の問題は認めるが、原因に理由をつけて正当化する)
- 補償(劣等感から逃れるために、他の分野で頑張る)
自己評価が高くて不安定な人は、自己評価を下げないために、使えるモノは全部使っている。
防衛機制(1)回避・否認・合理化
心と自己評価を守る防衛機制、一つ目は「回避」だ。
これは「失敗」に対する防衛メカニズムだ。
自己評価を下げる大きな原因は、「失敗」したり「敗北」することだ。
自己評価は、自分に対する評価だが、失敗したり他人と比べるると評価が揺らぐ。
難しいことに成功したら評価は上がるが、簡単なことでも失敗すると評価は下がる。
また他人より勝っていれば自己評価は上がるが、他人より劣っていれば自己評価が下がる。
そこで自己評価が低い人がやるのが「挑戦しない」「勝負しない」という選択で、これが「回避」という防衛メカニズムだ。
挑戦すれば失敗するかも知れない、勝負すると負けるかも知れない、そうやって失敗や敗北をイメージして、挑戦や勝負を避けるわけだ。
一方、自己評価が高い人は、失敗や敗北にはめげない。
というのも自己評価が高い人は、成功しにくいモノに挑戦すること自体が自己評価を高めると知っているからだ。
難しいことに挑戦したり、難敵に戦いを挑んだり、そういうことで自己評価を高めるのだ。
もちろんそれでも失敗したり敗北すると、自己評価は下がってしまう。
そこで次の防衛機制を使う。
それが否認(失敗を認めない)や、合理化(失敗の理由を他に求める)だ。
「オレは失敗してない」「これは失敗ではない」「次やったら成功する」「運が悪かっただけ」こういうことを言って、自己評価を守るわけだ。