強迫性PsD 自分の不安から子供を厳しくしつけて失敗する
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強迫性パーソナリティ障害は、回避性PsDや依存性PsDとともにクラスターC(C群)に分類される。
クラスターCのPsDの特徴は、
- 不安や恐怖心が強い性質を持つ。
- 周りの評価が気になりそれがストレスとなる
このグループは不安や恐怖心に対して敏感で、さらに他人の目も気になってしまうので、その不安や恐怖や人の目にどう対処するかで、性格が3つに分かれるわけだ。
たとえば回避性PsDの場合は、失敗が怖いから、何にもやらないという選択をする。
また依存性PsDの場合は、何をやればよいのか自分で決められないので、他人に決めてもらって自分は結果責任から逃げる。
そして強迫性PsDの場合は、自己判断ができないので、教科書通りやマニュアル通りやる。
それぞれ色々問題はあるのだが、子育てで一番問題があるのが強迫性PsDということらしい。
というのも強迫性PsDの人は自分の不安感から、子供に対しても努力と完璧を求め、子供が思ったように成長しないと、怒りや不快感で、子供も萎縮させてしまうのだ。
回避性PsDや依存性PsDの親に多いタイプとか書いてある本もあるね。
依存性PsD以外にも、回避性PsD、強迫性PsDなどは、親の支配力が原因であるらしく、類似点が多い。
- 強迫性の親に忠実に従うのが癖になったのが、強迫性PsD
- 親にやりたいことをことごとく潰されて、気力も失ってしまったのが、回避性PsD
- 自分で選択できず親に依存する生き方になってしまったのが、依存性PsD
強迫性PsDの対処法 コストパフォーマンスを意識してもらう
強迫性パーソナリティ障害の人は、答えや選択肢は一つしかないと考える。
強迫性PsDの人は、自分で答えを見つけ出したり、それが正しいと確信できないので、正解や選択肢が1つでないと困るのだ。
なので何事にも答えが一つしかないと決めつけて、それを自分や周囲の者に強要するわけだ。
強迫性PsDの人は、たいてい頼んだ仕事を完璧にこなしてくれるので、周囲の者は頼りがいがあると思って、うっかり責任のある仕事を回してしまう。
しかし彼らは手順通り、マニュアル通りのことしかできなくて、定型の決まり切ったこと以外はあまりできない。
だから発想力や交渉力、問題解決力が必要な仕事では、どこかで不可能になり、山ほど荷物を抱えた状態で立ち往生する。
強迫性PsDの人に対しては、あらかじめ仕事の範囲や期日、役割分担を決めて、折に触れて途中経過の報告を頼んでおく必要がある。
でないと彼らは失敗への恐怖から仕事を完璧にしようとして、その仕事に直接必要のないムダな作業を増やしたり、部下に対しても不必要な指導や拘束を始め出す。
強迫性PsDの人は、コストパフォーマンスより、仕事を全くミスなくすることに執着するから、時間や人件費の無駄遣いも増えてしまうのだ。
家事や子育てなども役割分担をハッキリさせておき、本人の分担していないことに関しては、関わらせないようにしないと、お互いに疲れてしまう。
強迫性PsDの人は、とにかく休むことが苦手で、のんびり何もせずに休むと言うことが出来ない。
休日も計画を立て、計画通り動こうとしてストレスを抱える。
強迫性PsDがこじれると、うつ病や心身症のみならず、心筋梗塞も起こしやすくなるので、放っておくとリスクが大きい。
「タイプA」と呼ばれる、要注意な性格でもあるらしい。
なので強迫性PsDの人に対しては、コスト・パフォーマンス比を重要視するよう要請し、100%ではなく、70~80%のコストや努力で目標を達成するように要望する必要がある。
また正解や選択肢は一つではないことを、折に触れて強調する。
強迫性PsDの人の考えとは違う方法で、成功したり結果を差している人や事例を勉強したり真似てもらう。
言われたことを言われた通りにできない人間も多いので、言われた通りにできる事自体は立派な能力だ。
しかし強迫性PsDのタイプには、コストパフォーマンスを良くしたり、自分を含めて周囲の者をリラックスさせられないとダメなんだという価値観を持たせないといけない。