学習障害は、サボっているわけではない。
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ディスレクシア・難読症は、文字と発音の関係が上手く作れないという障害だった。
人間の普通の能力としては、言葉を使うと言うことがあって、これは特にトレーニングせずとも生まれて育つ過程で言葉を聞き、それを使えるようになると言うことだ。
しかし文字の読み書きは、勝手に出来るわけではない。
これは練習して初めて出来るようになる能力で、いわば「努力によって人間が身につけた技術」である。
だからディスレクシアは、努力の仕方さえわかって根気よくやれば、ある程度までは出来るようになる可能性が高い。
読み書きを音読しながら何週間も続けてみて微妙に進歩していたら、出来るようになる脈はある。
ただし小学校高学年までに練習をしておかないと、中学に進学してから学力が極端に悪くなる。
理由は簡単で、読み書きに時間がかかるので、文章を理解するにも時間がかかるし、同じ時間で読み書きできる文章の分量が少ないので、他の生徒より練習量が相対的に不足するのだ。
1時間で普通の子供が10問やるときに、せいぜい2問とか3問しか問題を解けない。
これでは同じ時間勉強しても、普通の子供の2~3割しか勉強していないことになり、全然勉強が進まないし、学力が定着しない。
他の子供の5倍以上、時間をかけてやる
識字障害(難読症・ディスレクシア)の場合、本人は一生懸命やっているのであるが、勉強のスピードが遅すぎるために学力が上がらないと言うことが起こる。
記憶は、何度も同じ事をやることで初めて定着するという仕組みなので、練習回数と頻度が重要だ。
ところがディスレクシアの場合、目から入ってきた画像と、頭の中にある音声が上手くつながらないので読み書きに手間取って練習回数がどうしても足りなくなる。
その結果、やったことをどんどん忘れて記憶が定着しないというわけだ。
子供の場合、友達と同じ時間勉強しているのに、自分だけが出来るようにならないので、努力してもムダだと思い始めたりするが、努力して出来るようになるしかない。
なぜなら文字の読み書きは努力して身につけるものだからである。
そしてディスレクシアでも勉強密度と回数を意識して練習すれば出来るようになることも多い。
ただ文字の読み書き速度がかなり遅いので、同じ時間で他の子供のやる勉強の2割以下しか進まなかったりするので、
- 早めに始める、
- 基礎練習・標準問題だけやる
- とにかく同じ問題を繰り返して解く
そうして他の子供と同じ回数勉強すれば、その部分に関しては出来るようになる事が多い。
ただし学習密度は他人の5分の1しかないから、定着するかどうかはもう家庭環境次第になる。