演技をしないと生きていけない
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人間を理解するためのパーソナリティ障害研究。
まずアメリカ精神医学界の指針(DSM)の、クラスターBの四つからまとめてみる。
パーソナリティ障害 クラスターB
感情の混乱が激しく演技的で情緒的なのが特徴的。
ストレスに対して脆弱で、他人を巻き込む事が多い。
- 演技性パーソナリティ障害
- 自己愛性パーソナリティ障害
- 境界性パーソナリティ障害
- 反社会性パーソナリティ障害
ウィキペディアやパーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するかを読みつつ概観してみよう。
まずは9割方女性に発生する演技性PsDだ。
演技性パーソナリティ障害(演技性PsD)
演技性PsDは、ほとんど女性に現れるPsDで、ウソや大げさな演技によって周囲を翻弄するタイプだ。
このタイプの人々は、自分の描く理想の人格を演じることによって、異性や周囲の者を魅了しようとする。
理想とのギャップはウソで埋めるので、学歴詐称や家柄詐称も平気である。
そしてそのウソや虚言も、いつの間にか本当だという実感を持つようになっていくというから、本人にはウソを付いていると言う自覚もない。
(演技って初めからウソだからね。
)彼女らは自分が特別だと思っているわけではなく、自分を否定しているわけでもない。
ただ他人を魅了することが自分の全てであり、そのために場合によっては自殺まで図ってしまうのだ。
恋愛に関しては、男性を誘惑して一夜をともに過ごしたらお終いで、結婚には全く魅力を感じず、恋愛遍歴を重ねるタイプらしい。
演技性PsDは、幼い頃、母親の愛情に飢えていて、母親の気を引くために演技を続けていた結果だと考えられる。
人のウソや虚像は、不用意に暴いては危険。
演技性PsDは、人口の2~3%くらいいると考えられている。
9割が女性なので、女性の5%というところ。
男女半々の40人学級だったら、クラスに1人くらいいる割合と言うことになる。
この演技性PsDは英語では「ヒステリック」といい、要するに「ギャーギャー」大騒ぎするタイプ。
ギャーギャー大騒ぎするだけならまだしも、自分のウソを守るために平気で他人を陥れるから厄介だ。
演技性PsDの人が演技をしたりウソを付くのは、異性の気を引くためで、罪悪感などは持たない。
演技なんだから初めっからウソで固めているわけだし。
なのでその虚言で被害にあった者のことなど気にしないし、逆に自分の虚言のイメージを守るためには命をかける。
演技性PsDのウソや虚言を暴くと、逆に悪者にされてしまう。
彼女らは命がけで自分のウソやプライドを守るので、他人を陥れることなど朝飯前で、被害者ぶるのも上手。
だから下手にそのイメージを崩そうとすると非常に危険だという。
演技性PsDの対処法
また演技性PsDには、パニック障害や心因性の症状が出やすい。
検査をしても特に異常は認められないが、様々な症状が出るという。
ミュンヒハウゼン症候群という、周囲の注意を引くために病気を装うタイプの虚偽性障害にも似ているが、仮病だととがめると、症状はさらにひどいことになるらしい。
具合が悪いと訴えた場合の対処法としては、身体症状が出た場合は、とにかく休ませる。
布団から出さないように約束して休ませるとある。
学校や会社を休む場合は、本人に連絡させる。
過呼吸なども、紙袋を渡して自分で対処させるようにする。
身体症状が出たとき、その対処を自分でさせずに、周囲の者が手伝うと、かえってPsDが悪くなる。
逆に自分で対処させることによって、回復に向かうことも期待できる。
また演技性PsDは、他人の心や気分をコントロールすることに関心があり、自分自身に対する興味や関心がないので、なるべく1人にさせ、自分自身と向き合うように図るのが良い。
動物や植物の世話などをさせたり、日記などを書かせても良いという。