強迫性パーソナリティ障害と強迫性障害
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強迫性パーソナリティ障害(Obsessive-compulsive personality disorder:OCPD)とは、「~しなければならない」「~できて当たり前だ」と義務感が強すぎて生活に支障が出るタイプだ。
強迫性パーソナリティ障害に似た障害として、全く別個に強迫性障害というものもあるからややこしい。
なのでまず先に、強迫性障害の方をまとめておこう。
「強迫性」というのは、別に理由もないのに、「~してしまうんじゃないか」という考えが頭に浮かび、そのために過剰に備えてしまうという意味だ。
たとえば手が汚れたら、そこから病気になるんじゃないかと思い、手を洗わずにはおれない。
(潔癖性)家を出るとき、火事や泥棒を怖れて、火はきったか、電気をきったか、鍵は閉めたかと確認し、家を離れてからも心配になって、また家まで戻る。
(確認行為)「いつか使うのでは?」「必要になったときないと困る」と思って、何年も使っていないモノが捨てられない。
あるいは物ががキチンと揃って並んでいないと不安になり、過剰にそれを揃えてしまう。
こういうのが強迫性というもので、客観的には必要がなさそうなことでも、不安や恐怖によって過剰に備えてしまう。
強迫性障害の人は、人口の1%くらいで男性が女性の2倍くらいいるという。
強迫性障害と強迫性パーソナリティ障害は、異なる概念ではあるのだが、根っこはおそらく同じだろう。
目的に合致していなくても、手順通りにしかできず変えられない
強迫性パーソナリティ障害とは、「~しなければならない」「~できて当然」という思いが過剰で、自分のやり方に執着する堅苦しい性格だ。
仕事や仕事のやり方に、自分なりの細かすぎるこだわりがあって、失敗しようが目的に適ってなかろうが、それを変えることができないタイプ。
計画を立て、計画通りやることが最善だと考えていて、別のもっと良い妥当な方法があったとしても、そういう方法が受け入れがたく変更できない。
教科書やガイドマップ通りにしか行動できないので、ハプニングや予定外の行動を他人がすると、ものすごく不快になったりする。
その厳しさが本人のみであれば問題は小さいが、周囲に自分の厳しい基準を押しつけることによって、周囲の人間までも堅苦しくなってしまう。
またじっとしていることが出来ず、リラックスがとても苦手。
自分を抑え、自分に厳しすぎるために、うつ病や心身症になりやすいタイプらしい。
強迫性パーソナリティ障害 目安(4項目以上)
- 細かいこと(細目・規則・一覧表・順序・構成)にとらわれて、活動の主要点を見失う。
- 何か一つでも落ち度があると、それを理由にして計画の達成を丸ごと諦めてしまうような完全主義を示す。
- 娯楽や友人関係を犠牲にしてまで、仕事と効率性の向上に過剰にのめり込む
- 一つの道徳・倫理・価値観に凝り固まっていて融通が効かない。
- 特に思い出があるわけでもないのに、使い古したもの、価値のないものを捨てられない。
- 自分のやり方に従わない限り、人に仕事を任せたり一緒に仕事をすることができない。
- 金銭的に自分に対しても人に対してもケチ。
将来の破局・困窮に対してお金は貯めておかねばならないと思っている。
- 頑固である。