夢想や空想、競わない趣味
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自己評価と心を守るための防衛メカニズムの続き。
今回は「夢想や空想、仮託」だ。
自己評価が低い人は、夢想や空想にふけることがある。
成功を夢見るが、実際には何もせず、ただ成功している自分を空想して楽しむ。
コンピュータゲームやテレビドラマ、物語などに夢中になる場合もある。
というのも辛い現実が続くと、脳の海馬という器官が傷んでしまうため、現実とは異なる世界に逃避することで、自己評価を維持して、心を守るらしい。
もちろん自己評価が高い人も、様々な空想にふける。
ソフトバンクの孫正義さんも、従業員がたった2人しかいないときから、自分の会社を大企業にするという夢を、日頃からずっと語っていたらしい。
ただし自己評価が高い人と低い人は、夢想や空想の後が違う。
というのも自己評価が高い人の空想は、夢を実現するためのシミュレーションで、現実世界でそれを実現しようと努力する。
しかし自己評価が低い人は、理想の人生を仮想現実に投影して、そこで満足してしまい何もしないのだ。
この当たりが違うわけだな。
さて、こういう夢想や空想は、心を守るのには役立つが、自己評価を上げることはできない。
自己評価を上げるためには、現実世界で何かに挑戦して、それを成し遂げないといけないのだ。
しかし自己評価が低い人は、挑戦や勝負を回避するため、なかなかそう簡単にはいかない。
そこで「他人と競争しない趣味」で、上達を目指すという方法もある。
剣玉だとか、折り紙だとか、できたからと言って、それで人気者になるような特技でなければ、嫉妬を買ったり攻撃をされる可能性は低い。
勝ちも負けもない事なら、自己評価が低い人でも、挑戦するハードルが下がる。
因みに自己評価を上げる趣味は、料理と格闘技らしい。
格闘技は相手がいないとできないが、料理なら、自分一人でもできることだね。
仮託 よく知っている人の成功を、自分の成功のように考える
自己評価が低い人は、夢想や空想の世界で、自分の価値を高めようとする。
しかし現実世界では通用しないので、別の方法で自己評価を高めようとする。
それが「仮託(かたく)」という方法だ仮託とは、自分に関係がある人の成功を、自分の成功と見なすと言う方法だ。
親だとか子供だとか、夫だとか妻だとか、同級生だとか友人だとか、自分と何らかのつながりがある人が、他人に自慢できるような成功を収めていれば、それを自己評価に加えるのだ。
血もつながらず姻戚関係の全くない有名な芸能人やスポーツ選手が自分の知り合いだっただけでも、「あれは、自分の知り合いだよ」と言って、自慢できるから、自己評価が上がるらしい。
仮託による防衛機制は、自分との関係が近いほど、自己評価を高める力が強くなる。
そのため、自分の子供に自分の夢や、果たせなかったことを、押しつける親もいる。
たとえば学歴が無いことを普段から引け目に感じている親は、なんとしても子供を難関大学に入れようとする。
というのも自分の子供が難関大学に入ることで、自分がそれを成し遂げたような気分になるからだ。
女性であれば、かっこいい男性や成功者と、つきあったり結婚することが、自己評価を高める。
女性が夫に対して厳しいのは、夫の成功を、自分の成功と考えるかららしい。
自分で成功すれば良いのに、自分で挑戦したり努力するのを回避し、夫の尻を叩こうとするわけだね。