特別扱いしないと機嫌が悪くなる人々
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人間理解のためのパーソナリティ障害学習。
次は『自己愛性パーソナリティ障害」だ。
自己愛性PsDとは、自分が特別な存在であり、自分が特別扱いされるべき人間だと考える人々だ。
存在比率は人口の1%程度で、男女比は、男性の方が多少多く、年配者が目立つ。
自己愛性PsDの人は、「自分は特別なのだ」という言動が目立ち、自分を褒め称えてくれる取り巻きを求める。
「天才」とか「一流」という言葉が好きで、もったいぶった口調で話したり、豪華で華やかな服を着て大物ぶる。
有名人を自分の親友のように話したり、ステータスの高い人に近づいて、それを自慢したりする。
「自分は特別扱いされるべき人間だ」と思いこむような人並み外れた才能を持っている場合も多いが、しかし単に親が自慢できる人だったり、資産家の家庭に生まれただけのこともある。
彼らがなぜそう言う風に振る舞うのかというと、優れた才能を持っていたとしても実は生活能力がなく、自分の世話をしてくれる者に依存しているかららしい。
つまり自己愛性PsDの人は、自分の世話をしてくれる人間が周囲にいて、しかも自分を褒め称えてくれないと生きていけない。
自分は選ばれた人間だから、面倒くさいことは他人がやるべきで、自分は得意なことだけをやっておればよいという考えらしい。
なので自分を褒め称えてくれる人間と、自分の代わりに面倒なことをやってくれる人にしか興味が無く、それ以外の人間とはつき合いたくもないらしい。
傲慢、尊大、他人に対して妥協を許さない
他人に対して傲慢、尊大、妥協を許さない振る舞いをするのが自己愛性パーソナリティ障害の特徴だ。
自分が天才であり一流である存在で、特別扱いされるべきだという体裁で生きているので、自分を褒め称えてくれる人間と自分の世話をしてくれる人間以外は敵である。
自己愛性PsDの人は他人に教えられるのが嫌いで、特に他人に新米扱いされたり、叱られたりすることには耐えられない。
苦痛には極端なまでに耐えられず、些細なことでも欠点を指摘されると、猛烈に怒り出し激しく反論し始める。
パーソナリティ障害の人の多くは、自分の持っている自分のイメージを命がけで守ろうとすることが多い。
だから下手に彼らの自己イメージを否定するようなことをすると、暴れたり奇声を発したり、常軌を逸した行動に出て、ひどい目に遭わされるので注意が必要だ。
また自分自身が特別でないことは、自分自身でも薄々気が付いている。
なので自分の自己イメージが否定されると、尋常でないくらい落ち込んだり傷ついたりする。
自分に対するこだわりが強くて傷つきやすいのはパーソナリティ障害全般に見られる特徴だが、自己愛性PsDの場合は、ウツになったり引きこもりになりやすい。
というのも彼らの場合は生活能力があまりないので、「自分は特別で偉い」というイメージが崩れると、「自分は何にも出来ないダメ人間だ」と言う風に、極端に自分への評価が下がってしまうからだ。
なので自分の自己イメージを守るために、弱い者イジメに走りやすい。
自分より弱いモノに対して、強制わいせつ、ストーキング、ドメスティック・バイオレンス(DV)、セクハラなどをしてしまうこともある。
彼らは孤立していて他人との共感性に乏しいので、特に罪悪感を持たずにイジメが出来てしまうのだ。